商品を買って販売組織に参加し、知人に商品を売るか組織に加入させると報奨金を得、あとは知人が次々に行う同様の活動によってさらに報奨金が入る、といったようなことがマルチ商法の通例です。
マルチ商法で問題になるのは、不慣れな消費者が事業者となり、同じように商品を売り会員を集うことによって、初めは被害者も後に加害者に入れ替わってしまうことです。商品販売によって得る利益より、報奨金を目当てに、不適切な勧誘をすることが多く、やがては人間関係を悪化させてしまう場合もあります。
マルチ商法は、特定商取引法で「連鎖販売取引」として規制されています。法律では連鎖販売業者が取引をする際に、不実告知(うその説明)や人を威圧して困惑させる行為を禁止しています。また広告を出す場合には、商品の種類や参加者の経済的負担、事業者の名前や住所などの表示のほか、利益について具体的計算法を明示することを義務づけ、誇大広告を禁止しています。
連鎖販売取引の契約にあたっては、事業の概要を記載した書面(概要書面)や契約書面の交付を義務づけています。また、クーリング・オフ期間は、消費者が契約書面を受領してから20日間となっています。
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